前期高齢者の医療費

前期高齢者医療制度とは?

65~74歳の前期高齢者を対象とした、被用者保険(健康保険組合や協会けんぽなど)と国民健康保険との間の、医療費負担の偏在を調整するためのしくみが前期高齢者医療制度です。この制度は、後期高齢者医療制度(75歳以上)のように独立した制度ではなく「制度間の医療費負担の不均衡の調整」を行うための枠組みとして設けられています。退職などで被保険者の資格を失わなければ、前期高齢者である74歳までは継続して被用者保険の療養費の給付などを受けられます

*……被保険者・家族とも医療費の自己負担割合は3割(70~74歳の人は所得に応じて2割または3割)。

高齢者の医療を支える前期高齢者納付金

前期高齢者の約8割が加入する国民健康保険の財政支援のため、健保組合などから前期高齢者納付金が拠出されており、高齢者の医療を支えています。しかし近年この納付金による支出が健保組合などの財政を圧迫しています。前期高齢者医療制度は前期高齢者の加入率で負担を調整するしくみで、全国平均の加入率よりも低い健保などは納付金を納めることになります。また、前期高齢者の医療費が増えると前期高齢者納付金の負担も大きくなります。健保組合を守るためには、前期高齢者の生活習慣改善による健康づくりをはじめ、医療費適正化への取り組みが重要です(例:はしご受診や時間外受診を避ける、ジュネリック医薬品やお薬手帳の利用など)。

75歳以上の方が加入する独立した制度「後期高齢者医療制度」についてはこちらをご覧ください。